拳を握って立つちくわぶの魂

恋はしめさば、海はマトカ。3時のおやつは生たまご。

ネットゴーストPiPoPaを観る話(その6)

前回のリンク。https://chikuwabu-soul.hatenablog.com/entry/2021/08/16/235741

遂に来てしまった最終回。これを当時は1年かけて見ていたのかと思うと、来週が気になって仕方がなかっただろうな、と思う。

前回のバレンタイン回で日常回は終わりかと思ったけれど、まだあった日常回。ここに来て花梨ちゃんがネットダイブ。オリハルコンのかけらを渡せと言うピットに怯んで逃げた結果、同じくオリハルコンのかけらを探すインドお姉さんランガによって花梨ちゃんの訪れたサイトは次々に破壊されてしまった。ここでもしもピットがもう少し当たりが強くなければ花梨ちゃんもすぐに渡したかもしれないが、それは所詮絵空事。ピットはよく知ればいい奴なんだが、短気な性分で悪い印象を与えてしまうことがあるので損をする。その性格で最初はプーにも嫌われていたわけだし。そうしている間にもランガお姉さんは忍び寄る。雪谷亭でようやくピットと和解したはいいが、オリハルコンのかけらは横取りされてしまった。汚いぞ。

この回で花梨ちゃんと、カズシゲの両腕シュウゾウとコースケがネットダイブ。この1回の特別だと思いきや、ここにきていきなり出番がやってくるとは。現実世界の賑やかし担当みたいなものだと思っていた。

そして次も日常回……かと思えば、勇太くんの秘密が明かされる。なんと、ピポパたちと勇太くんはまだ勇太くんが赤ちゃんだった昔に出会っていたのだ。かつてサイレント・オブ・ワンミニットの際に、オリジナル・セイレーンが子供たちを守ろうと1つのネット空間に集めていた。その中の1人にして、唯一泣かなかったのが勇太くんだったから、勇太くんはネットチャイルドとなった。

無作為に勇太くんの携帯電話にメッセージが送られたのではなく、ちゃんと意味があったのね。しかしそれならば、赤ちゃんの頃の勇太くんと出会ったピポパが勇太くんの携帯電話に逃げ込んだのも必然だったのか?それとも偶然だったのか。限りなく偶然なのだろうが、こういう偶然を、人は運命というのだろう。

さて、ディヴァイン一味がオリハルコンのかけらを順調に集め、残るは勇太くんの持つ1本のみ。こちらとしても警戒心を強めるが、確実に勇太くんを誘きよせるために、なんとダムの破壊を試みる。なんと恐ろしいことを。しかも本気のディヴァインは、残りの3人の四天王のうち、インドお姉さんランガと、フランスお兄さんフランソワを派遣。その上ディヴァインはサヤカちゃんのワンちゃんボルゾンのアーマーパーツのような、マグロの刺身のような指輪を渡してくる。こういうアイテムってだいたい怪しい。

そんな本気の四天王相手に、ネットヴィーナスも全力で挑む。機械に限界まで負荷をかけて、演算速度を上げることで高速移動を可能にした。そんなこともできるのか。ファンタジー能力100%の勇太くんたちにはできない戦法だ。しかし、あまりの負荷に、サヤカちゃんの装置は火花を散らしている。危ないぞ。

なんとか四天王を倒せた?しかし、アッシュの時とは異なり、四天王2人の姿はまだ残る。そこでさっきの指輪が黒いもやを生み出し、2人を包み込んだ。案の定、あのアイテムはヤバいアイテムだった。2人は1体のネットモンスターになってしまったのだ。例えばハートキャッチプリキュアでも砂漠の使徒の3幹部がこういう見るからに怪しいパワーアップアイテムを受け取っていた。スマイルプリキュアの黒っ鼻の方が近いか?フレッシュが1番詳しいのだが、ナキサケーベは少し違う。まぁこんな放送時間ダダ被りなアニメシリーズで例えるのはさておき、四天王2人分だけあって、このネットモンスターはめっぽう強い。仲間たちが倒れる中、しぶとく立ち塞がる彼女こそネットヴィーナス。先ほどよりもさらに強い負荷をかけて、四天王を遂に倒した。

しかし、無理に無茶を重ねたサヤカちゃんのパソコンももう限界。そんな時にこそやって来てしまうんだ、ディヴァインは。このままではサヤカちゃんはネット世界から現実に帰れなくなる。助けて欲しければオリハルコンのかけらをよこせと要求するディヴァイン。勇太くんはそんな時に友達を優先させてしまう。が、そこが彼の良いところでもある。彼の友情を大切にする心はこの作品で最も大切なことだ。

しかし、悪役ディヴァインは約束を守る気などさらさら無い。フォレストにはもはや人の心などないのだ。ネットヴィーナスを攻撃し、消去を試みる。散々邪魔をしてきた代表格は、始末できる時にしたほうが良い。このアニメ、妙なところで非情である。

サヤカちゃんの絶体絶命のピンチ。それを助けるのはあのボルゾンだ。ボルゾンもデータの存在が危うくなる中、サヤカちゃんの携帯電話への直接リンクを繋いで、主人を現実に返そうと最後の力を振り絞る。「元気になったらまた遊ぼう」サヤカちゃんの言葉をよそに、ボルゾンは消滅してしまった……このアニメ、妙なところで非情であった。

悲しい別れも束の間、波乱はこれだけでは終わらない。今度はアイザワが勇太くん、ひかるちゃん、カズシゲの3人を学校まで保護しにやって来た。これも情報管理局の仕事のうち。3人は保護という名の拘留をされてしまった。部屋はネットには繋がれておらず、携帯電話を取り上げられてしまえばネットゴーストたちと連絡を取る手段もない。ネットの世界には恐るべき脅威が迫っているというのにアイザワに言っても信じてはくれないという八方塞がり状態。こんな時に助けられるのは外から動けるサヤカちゃん。ここで先のネットダイブの経験が活かされる。ネットダイブを実体験している花梨ちゃんとシュウゾウ&コースケを巻き込んで、いざ救出に。まさかこうやってこの子達が活かされるとは思わなかった。

一方、サンクチュアリに繋がるゲートが生まれたはいいが、侵入が叶わないディヴァインは、サンクチュアリに向かうためには現在のネット世界が邪魔だと判断した。なんと世界中にネットモンスターをバラ撒くが、これによって現実世界も大混乱。かつて起こったように信号機は機能せず、飛行機も誘導がないから着陸できず、ダムは止まらないしモノレールは動かない。その挙句、人工衛星からはミサイルの発射の準備が始められてしまった。ピポパたちは祖父江博士に勇太くんたちの状況を聞き、再会のためにドリームフューチャー社に向かう。

勇太くんたちを救うにはどうすれば良い?まずは拘束されているドリームフューチャー社に潜入しなければ。そこで利用するのが元・社長で現・商店街バイトの平目さん。かつて勇太くんへの嫌がらせのために使ったボイスチェンジャーで、今度は平目さんを騙して社内に和菓子を届ける手伝いの名目でドリームフューチャー社に向かう。

散々無能だ無能だ言ってきた平目さんだが、元社長の肩書と、掃除好きな性格から社内に関してはバッチリ。自動ドアが開かなくても、抜け穴だってバッチこいだ。平目さんはさておき、勇太くんたちを救い出した子供たち。部屋のロックまで解除してしまうとは、この子たち末恐ろしい奴らばかりだ。アイザワ曰く、可愛く見えても甘く見てはいけない。

しかしこうしている間にもネット世界の崩壊は進んでいく。95、96、97、98%……大人たちが対処しようとしても、電気すらネットモンスターの操るままでは電源も落とされ、とても対処に間に合うようなものではない。しかし、ネットの崩壊はあと少しというところで止まった。少しずつではあるが、崩壊が修復されていく。これこそ、祖父江博士にネットモンスターの動きを止めるガンを託されたネットゴーストたちの奮闘の成果だ。勇太くんならきっとくると信じて、まずは目の前の脅威と戦うことを決めたピポパたちが加わり、劣勢だったネットゴーストたちも攻勢に転じたのだ。目の前で起きていることに、ようやくアイザワも信じることを決めた様子。そうだよ、ネット世界は本当にあるんだ。

携帯電話が手元に戻り、ようやくピポパたちとも連絡がつく。どんなに離れていても、別の世界で生きいても、人間でなくても繋がる絆はそこにあった。お互いの無事が確認できて、とりあえずは安心。これでネットの世界を救いに行ける。

思ったか。そうはいかない。保護者たちも勢揃いだ。今までこんな危ないことをしていただなんて、祖父江博士のようにあっさりと受け入れるほうが珍しい。その祖父江博士だって危険な目に合わせるわけにはいかないと最初こそ言っていただし。ただでさえ情報管理局に保護されるなんてとんでもないことが起きた上に、ネットダイブとかいう訳のわからないことまでしているとなれば、親御さんたちも心配で堪らなくなるものだ。カズシゲ父が怒号をあげて腕を振りかぶったその時、聞こえてきた派手な打音。カズシゲ父によるものではない、その打音は勇太くんママが頬をはたいた音だった。あの朗らかなママがこんなことをするとは皆が驚くのも当然だ。

この時の勇太くんママは、唇を震わせて泣いていた。知っていたらそんな危険な場所には行かせなかったと泣いていた。パソコンが苦手な勇太くんが、親友と離れて転校した先はパソコンだらけのハイテク都市。この転校は勇太くんママの仕事の都合だろうから、この転校もきっとかなり悩んだのだろう。そんな勇太くんが知らないうちに、パソコンの中の世界に行っていたなんて。自分の知らない息子の姿がそこにあった。それもショックだよね、きっと。

それに、サメの巣のことだったり、ネットモンスターとの戦いだったり、危険なことはもちろんあった。その出来事は知らなくても、今の状況を考えれば、今まで身に危険が訪れたことだって容易に予想できること。その上、この作品が子供向け作品だから描かれないだけで、ネット世界には楽しいだけではない闇だって存在する。勇太くんママはドリームフューチャー社の社員だから、こういうネットの危険性に関しては子供達よりもよほど詳しいはずだ。

それでも。それでも勇太くんはここで止まるわけにはいかない。楽しいネット世界を守るためにも。現実世界を混乱から救うためにも。そして、ディヴァインに封印され、現実世界で眠り続ける守を取り戻すためにも。勇太くんはネット世界に行かなくてはいけないんだ。

 

字数がとんでもないことになったので分割。次回、いよいよ最終決戦!

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