拳を握って立つちくわぶの魂

恋はしめさば、海はマトカ。3時のおやつは生たまご。

ファイアボールの話

ファイアボール』とは、2008年に第一作が放送されたディズニー・スタジオ・ジャパン製作のCG短編アニメーションである。2011年には『ファイアボール チャーミング』、2017年には『ファイアボール ユーモラス』、2019年には『ファイアボール オーディオオモシロニクス』、そしてシリーズ完結編として2020年に『ゲボイデ=ボイデ』が公開された。

詳しいことはこのディズニー+公式ブログを参考にするべし。https://disneyplus.disney.co.jp/blog/maximum-guide/fireball-series.html

このアニメはなんと日本のスタジオで作られた作品である。もっと有名になってもいいと思うのだが、ディズニーチャンネルでしか放送していないためか、いかんせん知名度が低い。私は大学のディズニー・ファンサークルに所属していたりもするのだが、知っている人に会ったことがない。

さて、このアニメと私が出会ったのは2008年である。つまり、ディズニーチャンネルで放送された年ということだ。その年の夏、TAKARAZUKA SKY STAGEを契約するついでにCSに加入したことでディズニーチャンネルも見ることができるようになったというわけである。

この出来事は今振り返ると私の人生にあたって大いなる転換点となった。『シャーマンキング』も当時あったトゥーン・ディズニーで放送されていたものであるし、同様に『魔法陣グルグル』がなければ私は本棚の多くを占めるガンガン系列の漫画に出会うこともなかっただろう。ガンガンONLINEでの『舞勇伝キタキタ』の連載開始は2008年である。

ちなみにトゥーン・ディズニーのCMのナレーション担当の声優さんは、2008年の『ファイアボール』最終回に登場するシャーデンフロイデの声優さんであった。このトゥーン・ディズニーは残念ながらいつしか終了し、その後継としてはつい最近その役目を全うしたディズニーXDが登場した。2011年頃に私の愛したジャパニーズ・アニメーション『ネットゴーストPiPoPa』も放送されたが、このアニメの地上波での放送も2008年のことである。

そのような2008年、私がファイアボールを観るのはディズニーチャンネルを代表する名作『フィニアスとファーブ』の終わった後の5分間、つまり午後3時55分から4時の間にランダムで流れる時間であった。可愛らしいお嬢様が流れた時、今日はラッキーだと思ったものである。いかんせんランダム故に、毎日観ることができるというわけではなかったのだ。その頃の『フィニアスとファーブ』の最新話は37話と38話、つまり1回目のベストソングカウントダウンと、未来のキャンディスがタイムマシンで過去つまり本編の出来事を変えてしまった話だということを考えると、なんともまぁ昔々の話であることが窺い知れる。

そのような「ディズニーチャンネルの30分アニメの後、或いはCMに入る前後のアイキャッチに時折現れる可愛らしい機械のお嬢様がいた」という甘やかな記憶だけを残し、もはやその名すら忘れて2017年。私はツムツムを始めた。流行はすでに過ぎ去り、もはや周りでプレイしていたのは父のみという時である。世界にその名の轟くスーパー・スタァ、つまりミッキー・マウスの誕生日にツムツムプレイし放題という宣伝を目にしたからだった。

そのような文句につられて始めたツムツムであったが、そこで私はドロッセルお嬢様と奇跡の再会を果たしたのである。ゲームをプレイするときは攻略本或いは攻略サイトを確認するのが常であった私は、攻略サイトのツムツム一覧のページにたどり着いた。一瞬にして湧き上がる感傷、思い起こされる愛情。懐かしいその姿をなぜ忘れていることができたのだろうか。欲しい。私はお嬢様を使いたい。そう思った束の間の失望、期間限定でしか手に入らないことを知った。その日から、私のツムツムの目標はいつかお嬢様のツムツムを手に入れることになった。その野望に関しては半年もしないうちに達成された。

そのようにしてドロッセルお嬢様へのアイをこの身に再び燃え上がらせた私であったが、残念なことに映像は残していなかったのである。そもそもいつ流れるかもわからないゆえに、録画予約をすることすらできなかったのだから。それでもお嬢様という存在そのものを愛で続けていた私にある転機が訪れる。それこそが「ディズニー+」である。

さて、このディズニー作品が月額770円(税込)で見放題という素敵なサービスは(残念なことに『銀河ヒッチハイク・ガイド』や『魔法にかけられて』は配信されていない。後者に関しては続編が制作中なのでそのうち公開されると予想される)、『フィニアスとファーブ』も、『ミラキュラス レディバグ&シャノワール』(現在3シーズンまで)も、『ラマだった王様 学校に行こう』さえも見放題である。ついでに言えばスマートフォン・アプリゲーム「ツイステッド・ワンダーランド」に嵌まってから見直したいと思いつつもなかなかディズニーチャンネルで放送されない作品群を観ることも。

このディズニー+にはディズニーチャンネルオリジナル作品の項目があるのだが、そこで私は見つけてしまったのだ。『ファイアボール』を。しかも、『チャーミング』や『ユーモラス』も観ることができる。実はこの私、小3、4の頃まではディズニーチャンネルっ子だったのだが、小5あたりになると相も変わらず『フィニアスとファーブ』は見ていたし、『スイチューフレンズ』や『スティッチ!!』、『怪奇ゾーングラビティ・フォールズ』なども見ていたが、真剣な熱量ではなくなっていた。そのため『チャーミング』や『ユーモラス』はこの時まで見たことがなかったのだ。そのため、私がおでんの具の中で「ちくわぶ」が1番好きなのは、この作品に影響されたわけではなく単なる偶然である。

懐かしさと期待に胸を膨らませて再生する。「そうそう、これよこれ!!」かつてそれが観れたら今日はラッキーと楽しみにしていた、ユーモラスにして意味不明、すなわち人類の、機械たちよりも論理的でなくかつ野蛮な頭では到底理解しきることはできないようなコングラッチレーション、もとい、こんがらがる世界が待ち受けていた。記憶の奥底に眠っていた空気がそれなのだ。

もはや私が覚えていたことといはえば「機械の可愛らしいお嬢様と執事のでっかい黄色いのがいた」という一点のみである。毎回名前を間違えて呼ぶことすら覚えていなかったとは、その忘却度の具合はいかに酷いものであっただろうか。そのため、気分としてはほぼ観たことのないアニメを観るようなものである。それでも、「うわー!懐かしい!!」と思わず上の妹と口を揃えて言うレベルだった。

、この理解不能なアニメーションだったが、それでもやはり少しでも知りたがるというのが人間の性である。1話の「イルカは世界で2番目に賢い動物、因みに人類は3番目」と言うのは「銀河ヒッチハイク・ガイド」という小説のネタだと言うことを知ったのもこの時だ。因みに1番賢いのはネズミである。世界1のスーパー・スタァがネズミであるのもこれで理由は……いや、別にこれで理由がつけられるわけではない。

さて、そうしてネットの海を何となくクラゲのごとく漂ってそれから数ヶ月後、ファイアボール公式Twitterにて最終章の予告が公開された。https://twitter.com/disneyfireball/status/1314385123006017536?s=21

単眼のお嬢様、赤いゲデヒトニス、今までとは異なるタイトル(当時私はゲボイデ=ボイデの存在を知らなかった)。一体ファイアボールに何が起こるのかと私は動揺したことを覚えている。さてそんなシリーズ最終作『ゲボイデ=ボイデ』だったが、それも12月に最終話が公開され、ファイアボール製作チーム活動を停止した。https://twitter.com/disneyfireball/status/1344576794565857280?s=21

が、ゲボイデ=ボイデを知らなかった私は、『オーディオオモシロニクス』を所持しているわけも当然なく。そのため、なんのことなのかさっぱりわからん……と白旗を振る羽目になったのであった。何しろオーディオオモシロニクス、プレミアがついてとんでもない値段になっていたのである。現在でも4、5万円がザラだ。私は結局2万強でやっと手に入れたが、なんと親切なことに、現在はこの『オーディオオモシロニクス』のCDの方は各配信サイトで購入が可能である。ブルーレイディスクに収録されているD Lifeのアイキャッチや宣伝は配信されてないが。

これを聴く聴かないで理解度が変わるので、『ゲボイデ=ボイデ』を観ても意味のわからなかった視聴者はとりあえず聴くことをお勧めする。聴いてもまだ大してわかっていないようなのもここにいるが。

何度見ても理解できない唯一無二の「ファイアボール」シリーズに、この1年ほど私はどハマりしている。もはやディズニー+が『ファイアボール』専用となりかけた。

先日2008年の『ファイアボール』DVDに収録された「メイキング・オブ・ファイアボール」の話をしたところ上の妹に「観たい」と言われたので観たのが今日の午後9時過ぎ。MステでマツケンサンバⅡを観てすぐである。そのままちくわぶボックスの『チャーミング』、そしてオーディオオモシロニクスの『ユーモラス』を観て、ディズニー+の『ゲボイデ=ボイデ』を観た。

もうあまりにも見すぎたものだからセリフも少しずつ空で言えるようになってきたことに驚いた。オーディオオモシロニクスを経てこうして一気にシリーズを見ると、この曲のこの歌詞ってここから来ていたんだ、とかそういうことも発見できる。

そのような楽しい気持ちのままこれを書いてすでに2時間。寝る予定の時間を大幅に過ぎて、この記事を終えよう。

ところで、ドロッセルお嬢様とゲデヒトニスはいつになったらディズニーランドのトゥモローランドに現れるんですか?この2人よりもトゥモローランドに相応しいディズニーキャラクターはいないと思うのですが。だって日本のディズニースタジオが製作したアニメーションではるか未来の世界を舞台としたキャラクターだ。私が億万長者だったらオリエンタルランドさんに「この金でドロッセルお嬢様とゲデヒトニスを出してください」と頼めるものを。アメリカのパークにはフィニアスとファーブがいるらしいからね、同じくディズニーチャンネルオリジナル作品のファイアボールだっていけるでしょう。いいなぁ、私もフィニアスとファーブとグリーティングしたい。

あと、アリアドネお嬢様のツムツムをリリースしてください。